大前研一「テクノロジー4.0」を読んだ

1年以上前の本ですが、特にエピローグで結構つらい現実的な話で結んでいたので、頭をガツンとなぐられたような衝撃を受けました。

本書では、すでに世界で展開されているテクノロジー4.0の具体例(FinTech、位置情報、IoTなど)が紹介されています。
詳しい内容は割愛しますが、筆者は、今後、デジタルコンチネント(インターネットによって全世界がフラット化した大陸)で生き延びるためには、それにフィットした教育をしていくしかない。とにかく、教育、教育、教育、と。

しかし、戦後日本では、この教育を怠ってきたため、そのツケがここにきて現れてきた。
もう日本政府や大学を頼るのでなく、デジタルコンチネントで生きる覚悟を持たねばならない、と強い口調で述べています。それは、30年間言い続けてきたにもかかわらず、いっこうに変われない日本政府と日本の大学に対する強い怒りと失望と諦念です。

最後の一節は原文のまま載せます。最終通告のようです。
このデジタルコンチネントこそが自分の生きる場だという覚悟があれば生き残れますし、誰かが連れて行ってくれるのを待っているような人間は、(中略)対岸に残されている、ということになるのではないでしょうか。

待ったなしの時期に来ているとはいえ、いざ自分自身に置き換えてみると、突然テクノロジー4.0で仕事をするのは難しく悩ましい。
現在の自分の仕事のビジョンが、デジタルコンチネントとどういう位置づけになり、どう今後の社会に貢献できるものになるか、再度考える必要性を感じました。